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箏曲おさらい会での解説

六段の調

作曲者は八橋検校(17世紀)と言われています。箏曲の代表的な名曲で日本音楽としては珍しく唄がなく純器楽曲となっています。楽曲は六つの段からなり、初段を除いて一定の拍子で構成され、段物と言われています。演奏様式は時代とともに変わり、今日に伝えられてきました。本日は、本手、替手、三絃で合奏いたします。

 

小鳥の歌

昭和3年、宮城道雄の作曲。本来は尺八2部と箏との合奏曲で、軽快で明るい感じの曲です。近年は尺八1部との合奏でよく演奏されますが、本日は尺八のパートを箏で演奏いたします。

 

山の筧

昭和8年、宮城道雄の作曲。歌詞は「千代の寿」と同じく櫻居女の作詞です。題目は「水三題」といって、山の筧。大河の夕。太陽の朝。といずれも水に関した曲を三つ集めたもので、これは最初の曲です。本来は尺八で伴奏されるように作曲されておりますが、本日は尺八を入れないで演奏いたします。

 

八段の調

作曲者は八橋検校といわれています。六段と同じく唄がなく純器楽曲で、八つの段からなる段物です。三絃は後に大阪で作曲され、箏の旋律を忠実に模倣した本手と、独立性の強い替手があり、本日は三味線のみで合奏いたします。初段の終わりより替手が本手の間を細かく縫うように倍ぐらいの音符で手付けされています。

 
 

唐砧

大正2年、宮城道雄の作曲。朝鮮在住時代の作で、水の変態、春の花、初鶯など数は少ないのですが、殊に傑作が多くなっています。唐砧もその中の一つで、箏二面と三絃による器楽曲です。月夜に婦人が砧うつ音が夜風にのって響いてくる。そうした情景が描かれています。砧は箏の古曲には数多くありますが、それらを多少取り入れながら三絃を加えた新しい合奏曲となっています。

 

虫の武蔵野

昭和7年、宮城道雄の作曲。当時としては内容的に新しいもので、華やかな手付けがなされています。「遠砧」と同じく磯部艶子の歌詞です。作曲者は、虫の音が大好きだったと言うこともあり、手事では箏や三絃の様々な手法を効果的に用いて、秋の虫が集く様をおもしろく表現しております。

 

水の変態

明治42年、宮城道雄、数え年16歳の処女作。歌詞は「高等小学校読本」の中の「水の変態」という題の和歌、7首(霧・雲・雨・雪・霰・露・霜を詠んだもの)です。自然の千変万化を表したこの7首の和歌に深く共感し、また従来の曲だけでなく、洋楽を取り入れた何か新しい曲を作りたいと思い作曲されたようです。代表傑作となり、後年替手をつけられました。本日は本手を独奏いたします。

 

八岐大蛇

作曲者、二代目上原真佐喜の代表作。昭和35年に初演された高低二部の箏合奏による歌曲です。内容は、「古事記」から八岐大蛇退治で有名な須佐之男命の伝説を謡っています。神話の地、出雲の国の描写、命が大蛇を待ち受けるさま、大蛇の登場から命と大蛇の立ち回りを経て、最後は大蛇が退治されてめでたく結びとなります。
当日プログラムの解説より

 
 

茶会での解説

三曲

箏、三弦(三味線)、尺八のことを言います。これによる演奏が三曲による合奏です。

 

素材はすべて桐、弦は13本あります。柱(じ)の位置により全体の音階を調節し、柱の外側の弦を指で押さえて音程を変えます。3本の象牙の爪を指にはめて弾きます。

 

六段の調

約250年前、八つ橋検校によって作られた曲です。六段の調とは、主題と五つの変奏曲により構成されていることから名付けられました。元の節に対してリズムや旋律などを六つに変化させて一つの曲に仕上げています。当初は箏だけの曲でしたが、三弦、胡弓(中国の楽器)との合奏がされるようになり、江戸末期頃から尺八が加わって現在のスタイルになりました。
岡氏より

 

尺八の由来

中国唐の時代、雅楽の中に尺八という楽器がありました。長さが一尺八寸(約56cm)だったことからその名が付きました。現在のものはそれとは異なり、室町時代に中国の南の方から入ってきたものです。寸法が同じ一尺八寸だったのでその名が付きました。正確には一尺八寸ではなく、関東と関西でも長さが異なります。竹の節間の長さ(特に末端)がとても重要なので厳選されたものを使用します。本来は箏や三弦と合奏をするような一般の楽器ではなく、時代劇等で見られるように、僧(武士でもあった)が修行のためにお経の代わりに吹いていたものです。明治時代になって他の楽器との合奏が正式に許されるようになりました。
鈴木氏、岡氏より

 
 

名取り式

名取り

一定の技能を修得して師匠より芸名を許されること、許された人。また、その芸名のことを名取名といいます。
ウィキペディアより

 

イベント

除夜香之記

平成29年12月23日、神山鶴舞峰様の主催による「除夜香之記」がお茶室おおすみ山居において開かれました。茶道を学び、お香のかおりを聞いて遊ぶ。厳粛ななかにも和やかで楽しいひとときを過ごしました。会に先立ち、雅会によるお箏の演奏を行いました。

曲目
道成寺黒髪供養三部

出演
箏高音 西佐和美、箏低音 永吉佐和次、鼓 神山鶴舞峰

参加人数
38名

   
   
   

中澤洋恵先生追善 箏曲おさらい会

平成27年11月8日、長く親交がありました生田流箏曲故中澤洋恵先生追善の箏曲おさらい会が大山邸(旧中澤邸)において開催されました。お弟子さんたちの心のこもったすばらしい演奏でお稽古場に再び活気がもどり、中澤先生を偲びました。雅会からは西佐和美と永吉佐和次が特別出演させて頂きました。

演奏曲
六段の調小鳥の歌山の筧八段の調唐砧虫の武蔵野水の変態八岐大蛇

出演
和田明子、早川裕子、外山恵子、目崎淑子、小田みち子、柳瀬りか、小野邉仁子、西佐和美、永吉佐和次

茶会

平成22年3月14日、当教室において茶道 安藤宗則先生との共催による茶会を開きました。参加者は、演奏曲(六段の調べと茶の湯音頭)を聴きながらお茶を飲む優雅で贅沢なひとときを過ごしました。演奏前に三曲六段の調尺八の由来について解説が行われ、とても有意義なイベントになりました。
協力
尺八:久松如陽(現横浜三曲連盟理事長)、鈴木如敏(同理事)、岡逸調(元NHK邦楽プロデューサ) <以上敬称略>

名取り式

平成15年1月25日、当教室の稽古場にて弟子3名の名取り式を行ったときの模様です。当日は雅会のメンバーが集まり、お祝いの演奏を行いました。